それから
さおど時間が掛からず陽向さんが到着。

それも物凄い勢いで―――


「おい!開けろ!!」


ガンガンと
何度も部屋のドアを叩いては
大声を上げる。

近所迷惑なんすけど…。


そんな声と音に驚いたのは
吹雪さんだけじゃなく
隣に住んでいる煌月の耳にも届いており…


「え…陽向…さん?」


何事かと外の様子を見るや否や
血相を変えた陽向さんの姿に
煌月もある意味で驚いていた。


ガチャ…と鍵が開いたと同時に
飛び込むように入っていく陽向さん。
あとを追うように煌月まで入ってくる始末。

アタシが眠っている間に
事は大きくなっていた―――


「セツナ!?」


リビングに入るなり
床で眠るアタシを見つけ
急いで駆け寄り
なぜか必死に起こそうとする。

いや、寝てるだけだからね。


「アルト…
 ちょっと落ち着いて話を聞いてもらえるかな」


当の吹雪さんは
ダイニングテーブルに腰掛けて
まるで他人事のように落ち着いている。

ついでに煌月は
アタシの様子を見るなり
この状況に言葉を失っていた。