あの後男の子...もとい、雪くんは大山先生を探す旅に出た。
私は家に帰って雪くんの名前を調べてみることにした。

えーと、小春 雪、検索っと。

「えぇっ!?!?」

翌日。

「夏〜!!」
「あ、志織...」

この子は親友の明坂 志織。
2年生になって初めてできた友達。

「なんか今日元気ないね〜?」
「うん、あのね…」

私は昨日あったことを全て話した。

「え?それが今日元気ないことに繋がるわけ?」
「そ!!れ!!が!!さ!!」

私が昨日、雪くんを検索すると...彼が今まで取ってきたおびただしい数の賞を目の当たりにした。
学校のコンクールから世界的なものまで。ほぼ総ナメであった。

「そんな人がうちの学校にいるの?」
「そうみたい...信じられないけど。」
「夏、お近づきになって美術部入ってもらえば?」

え????私の頭の中にハテナが飛び交う。

「だってさぁ、そんなすごい人がいるのに、美術部として放っておいていいの?もし小春くんが入部すれば部員も大幅アップかもよ?」
「なんで??雪くんしか入ってないんだから変わらないでしょ」
「いや、見た感じ彼、相当イケメンだよ?」

いけ、、めん、、だと??
ってか!!

「なんで志織がそんな事分かるのよ!会ったことないし見たことも無いんでしょ?」
「だってネットに載ってるよ?」

志織はずいっとスマホを私に見せてきた。

「確かにイケメンだけど...こんなだったっけ?」
「えー!こんなイケメン見たら普通覚えてるって」

でも私は納得がいかない。
私だってこんなイケメンと喋ったら忘れるはずがないもん。

「会いに行けば?」
「は!?」

志織はさも当然のように言ってくる。
そもそも私は雪くんの名前しか知らないのに。
学年もクラスもわからない。

「私心当たりあるから安心してっ?」