あきらめられないから……
どうしても忘れられないから……
今もずっと彼女のことを想ってる……

忘れようとしていた恋が目覚める……
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大和は、中学の時好きな子がいた。

でも、奈々が好きなのは、俺じゃない。葵を好きなんだと気づいた。諦めなきゃと、男子校に進学した。だけど、好きな気持ちは変えられなかった。

中学の友達に久しぶりに会った。そして、葵が奈々じゃない女と付き合ってるときいた。幸太は、奈々の友達の恵のことが好きだった。

幸太が、恵のことを好きなことを奈々に話してみたら、4人で会うことになった。

久しぶりに奈々に会った。恵は、好きなやつはいないらしく、二人がうまくいけばいいねと、笑ってくれた。やっぱり奈々はあったかくて、優しい。奈々の笑顔はまぶしかった。奈々の笑顔が頭から離れない。

みんなで一階に遊んで楽しかった。幸太は、恵に気持ちを伝えたけど……友達以上には思えないと言われた。でも、友達としてまた会ってくれるって……

「0じゃないんだろ?じゃ、あきらめない。」
そうだよな。俺も、もうあきらめない。奈々に好きになってもらえるように、頑張る。
彼と出会って未来が見えた

なんてことない会話
こんな日がずっと続くといいな
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中学の同級生から連絡がきた。中学の友達で会わないか……って、熱心に誘う意味がわからなかった。幸太がメグのことを好きだからって……なんだそういうことかー。

メグは美人だけど、好きな人はいなかった。だから、みんなで会ってもいいかなと思った。

男の子と会うなんて、葵以外は初めてでドキドキしていた。大和も、幸太も人気があったけど、高校生になってますますかっこよくなってた。一緒にいて、明るい二人といて、あったかくて、楽しかった。

幸太に告白されたメグ……友達以上には思えないと断っていた

でも、友達から始めるってこと?どうやら恋が動き出した予感。頑張れ幸太。

あれれ?でも、次も二人じゃなくて4人で会うことに……

別に会いたいわけじゃない
だけどもう一度会ってもいいかな

あなたといれば
きっと楽しいんだろうな
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休みの日に何度か4人で会っていた。恵は、また会ってもいいかなと思いはじめてる。

初恋もまだな……恵。恋って、どんなものかしら?まだわからないけど……どうやら、恋が動き出した予感……
告白したら………その先は?

今の関係を物足りなく感じていた
このままじゃいやだ

悔いを残さないためにやるべきことは……?
もう後悔したくないんだ
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4人で遊んでいても、恵と話すのは奈々……

中学の卒業式で告白できなかったことを後悔していた。高校生になって、告白したけど、友達以上には思えないって言われたけど、4人では遊んでいる。

でも、奈々に嫉妬してる。心が冷えていく。

高校の女友達に、そんなに邪魔ならその子と一緒に遊ばなければいい。代わりに私が行くよ……って言われて……

女友達の若菜を連れていった。

もう後悔したくないから、気持ちをちゃんと伝えていこうと思って、奈々に……恵との恋の邪魔をしないでほしい。大和には好きな子がいるから巻き込まないでほしい。……泣きそうな顔をしていたが、帰っていった。これで恵との仲もうまくいくと思っていた。

帰りに次の約束をしようとした。また4人で会えると思っていた。だけど、恵は奈々がこないなら、いかないと……帰っていった。大和も次はこないって……

次は若菜と二人?こんなはずじゃなかったのに……
みんなで遊んで
心地よくて幸せ……
いつまでも続くと思ってた

だけど……
そう思ってたのは私だけだった
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いつも4人で遊んで楽しかった。今日は、幸太が若菜ちゃんを連れてきた。いつもと違い、ギクシャクした雰囲気……を感じていた。

そして、幸太に恵との仲を邪魔をしないでほしいと言われた。私は、二人を応援していたのに……そんな風に思われてたんだね。大和くんともたまに連絡をとっていたけど、大和くんには好きな子がいるから、邪魔なんだと言われた。二人とも友達なんて思ってくれていなかった。楽しんでたのは、私だけなんだとわかった。

途中で別れて、家に帰ったら、誰もいなかった。自分の部屋に入ると、止めどなく涙が溢れてきた。
つかんだと思ったのに
キミはスルリといなくなってしまった
また色んなことがしたいよ

近くて遠いキミとの関係……

キミと出会うまではこんな気持ち……知らなかった
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奈々が途中で帰った日から、奈々にラインを送っても既読にならなくなった。なんで急に?

なんにもしなくてもいい。一緒に話したり、一緒にいる時間が……俺には大切だった。奈々と繋がりがなくなったら、つまらない日常。あー、つまんねぇ……毎日やってることは同じ。だけど、奈々がいない……これから、こんな毎日が続いていくのか?こんな日が……

だから、奈々に会いに行った。

「奈々ちゃん、なんでラインを無視するんだよ。」
「大和くん……好きな人がいるのなら、こういうのはもうやめよう。」
「好きな人?俺が誰を好きなのか知ってんの?」
「それは、知らないけど……」
「俺が好きなのは、奈々ちゃんだよ。」
「うそ……幸太くんは、他に好きな人がいるって……」
「そっか。幸太から聞いたのか。でも、俺が誰を好きなのかを、幸太は知らないんだよ。」
「うそ……私なんて……」
「私なんて……とか言うなよ。俺は中学の時からずっと奈々ちゃんが好きだった。葵がいたから、諦めてたけど、葵が他のやつと付き合ってるって聞いて、幸太のことで会うきっかけにしたんだ。」
奈々は何もわかってない。俺が奈々のことをどんだけ好きなのか……
「そんなの……知らなかった。」
「もっと仲良くなってから告白するつもりだったんだよ。こんな風にじゃなく、もっとかっこよく……」
奈々は俺のことをどう思ってる?
「この間、幸太くんに大和くんには好きな子がいるから、つきまとわないでやってよ。って言われて……」
あいつ、何言ってんだよ。怒りがこみあげてきた。
「そんなこと言ったのか……」
「うん……それで気づいたの……もう大和くんに会えなくなるんだなぁーって……」
「それで、ラインを無視したの?」
既読スルーされて、なんか俺なんていなくても……他の誰かでもいいんじゃないかって気がしてへこんでたんだ。
「うん……見たら……会いたくなっちゃうもの……」
「え……」
奈々が、はっとして、口をおさえた。

傷ついたり……怖くても……ぶつかっていかなきゃいけない時もある……

「俺はずっと奈々ちゃんが……奈々ちゃんだけが好きだったよ。これからだって、奈々ちゃんじゃなきゃダメなんだ。奈々ちゃんは?」
「私は……この間気づいたばっかりだけど……大和くんのことが好きなんだと思う。」

幸太のことはむかつくけど、あれがなかったら……奈々ちゃんは俺のことを好きだって気づかなかったってことか……何がきっかけになるかわかんねーな……
誰にも言えなくて苦しい恋……

恋に気づいた
それと同時に失恋した

恋を……教えて
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奈々は、大和に好きな人がいることを聞いて……初めて自分の気持ちに気づいた。何度か大和からラインがきたけど、見ることができなかった。

いつも一緒にいる恵は優しいから慰めてくれる。だけど、その優しさが痛くなる。恵から離れる……と、孤独を感じる。

そんな時、大和が会いに来た。二人の恋が今……始まる。

恋を……教えて……
いつも……いつも……
私ばっかりが好き過ぎて怖いよ……

あなたとずっと一緒にいたい
永遠に変わらぬ愛……
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奈々が途中で帰ってしまった日から、何かが変わり始めていた。

奈々を慰めたけど、今までとは違う……奈々が離れていく……

本当に息苦しい……孤独……もうやだよ……1人は……一緒にいてくれるだけでかまわないの……奈々……

私の目に映るのは奈々だけだった。私の頭の中は奈々だけ……
すぐには忘れられなくても
そのうち思い出さなくなる
だから今まで通りに普通に……
なのに頭から離れなくて困る

キミが……
キミの声が……
キミとの思い出が……

いつかは……とは思っても
そんなの遠い未来にしか思えなくて……
このまま時間が止まった世界にいるみたいで……
オレ1人が世界に取り残されたんじゃないかって思えて……
心が冷えていく

オレの一度きりの人生の途中なんだ……
この広い世界でたった1人……
キミに会いたい……
こんな風に心が冷えることも……
切ない気持ちも……
知りたくなかった
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葵の兄……薫……

薫の本心は、奈々のことが好きだった。奈々と葵が両思いだと感じていた。だから、手が届くとは思えなくても、奈々のことを遠くから見守っていた。

だけど、このままで、奈々のことを大事にできるかな?離れた方がいいんじゃないかって思って、高校は寮のあるところを選んだ。

なんで兄弟で同じ子を好きになっちゃったんたろうな……葵じゃなかったら、諦めたりはしなかった。たとえ想いが通じなくても、たとえ近くにいられなくても、たとえもう会えなくても、もう一生会えなくても、奈々がどこかで幸せでいてくれるなら……と思って離れた。

だけど、実際に離れたら、奈々に会えなくて……心が冷えていく自分に気づいただけだった。

寮生活にも慣れてきた高校2年目の夏休み、家に帰ると……母親から奈々が葵じゃない男と付き合い始めたと聞いた。俺は何のために奈々から離れたんだ?

奈々が高校に行ってから会えなくなったと、母親がしょげていた。奈々に会えたらと、お土産を買ってきていたので、一緒に渡しに行こうと言うと、ウキウキと支度を始めた。

お土産を持って、二人で行くと、奈々と奈々の母親が笑顔で迎えてくれた。久しぶりの奈々の笑顔を見て……わがままだってわかってるけど、奈々を一人占めしたいと思った。もう諦めない。もう他の男に渡さないから……想いがあふれて……これからはもっと家に帰ろうと決心した。