「……ここ」

「え、」

「この教室で食べる」

「え、な、…なんで…!?」


明らかに動揺している弥生を置いて、俺は弥生のクラスに無遠慮に入った。
そして、弥生の席を目指す。


「弥生の前の席の椅子、使っても良い?」

「あ、うん。友達、昼練行ったと思うから、…平気かな」


了承を得てその椅子に座り、弥生の席の方を向く。
弥生は戸惑いながらも自分の椅子に座り、弁当を開け始めた。


「どしたの?いきなりうちのクラスで食べるなんて。今まで一度もなかったのに」

「思い知らせなきゃいけないんだよ」

「…?」


訳が分からないといった顔をする弥生をよそに、俺は先ほどの安藤の方を見てみる。すると、予想通り安藤は、目を見開いてこちらを見ていた。