お願い……?
「わ、私にできることがあれば……!」
秘密にしてくれるって言ってくれたんだ……なにか力になれるなら、なんでもしたい……!
「うん、静香ちゃんにしか頼めない」
じっと私を見つめる佐倉先輩に、少しだけ心臓がどきりと音を立てた。
私にしか頼めないって、なんだか意味深……。もしかして、凄い重労働とか……?
な、なんでもするつもりだけど……。
ごくりと息を飲んで、佐倉先輩の次の言葉を待つ。
「俺の……彼女になって」
「…………へ?」
待ち構えた私に届いたその"お願い"に、変な声が漏れた。
俺の……彼女?
私の聞き間違え?
「あの、今なんて……」
再度聞き直すと、返ってきた言葉はさっきと同じものだった。
「俺の彼女になって、静香ちゃん」