一枚目は、冬香さんの高校の卒業式に撮ったであろう写真で。

卒業式と書かれた看板の側で、笑顔の遥と冬香さんが並んで写真に写っていた。


二枚目は……顔を伏せて眠る、彼女の横顔の寝顔の写真。


そして、三枚目は───。



多分、どこかの病院で、遥が入院か何かしていたのだろう。
病院のパジャマを着た遥が、愛おしそうに────……冬香さんの頬にキスをしている写真だった。



そして極め付けは、パスワードが“FUYUKA”だった事。



たった三枚の写真だけれど、遥が冬香さんをどう思っているのかが切に伝わって来る。

そして、私が一番にショックを受けたのが、冬香さんの“髪型”だった。



……今の私とそっくりな、ロングヘアー。



彼女の髪型を見て、瞬時に記憶が蘇った。

───遥は以前、髪を切ろうかな、と言い出した私を必死に止めて来た事がある。


あの時は、今の方が私に似合っている等と、必死に遥が説得するので絆されて、遥がこの方が好きなら、と切るのをやめたのだ。


だけど今思えば、あの時の止め方は異常で。
とても不安げで、本気で遥は泣き出しそうだった。



………ロングの彼女は、今の私と良く似ている。

いや……、私が、彼女に“似ている”のだ。


ここから導かれる答えは、もう、明らかで。


私がずっと、“考えないように”して来た事。




それは───。


─────……私は、冬香さんの“代わり”なのだという事。