遥と知り合ったのは、今から約八ヶ月前。

この写真の日付があっているとするならば、遥は私と知り合う約十ヶ月も前から私を知っていたという事になる。



………一方的に、だけれど。



そう思うと、途端にゾワリと全身に鳥肌が立った。

やっぱり、おかしいとは思っていたんだ。
だって、知り合った次の日にプロポーズなんて、よく知りもしない相手に、いくら一目惚れとはいえありえない。


いや、それよりも、自分はとんでもなくヤバイ男に好かれてしまったのだと改めて実感する。


……遥の事は、好きだ。


でも、彼の異常な行動に、今はとにかく気味が悪いとしか思えなくて。

私は荷物を纏めて、遥が帰って来る前に、と慌てて家を飛び出した。

でも、飛び出してからある事に気付いた。


パソコンの写真のファイル、開いたままだ……!


でも、今戻れば遥が帰って来そうで怖いと思った。
とにかく、とにかく彼とは距離を置かなければ、そう慌ててもつれそうになる足を必死に前にだして、私は家路を急いだ。