人の趣味をとやかく言うつもりはないけれど、なんだか得体の知れない不気味さを感じて、手のひらにジワリと汗が滲む。

小分けされたファイルには日付と枚数が表示されていて、何故か丁度今から一年半前くらいから、急激に枚数が増えている事に気付いた。


なんとなく直感で、これ以上は見たらいけない、そう思ったけれど、気が付いたら枚数が増え始めた日のファイルをクリックしていて。





───ファイルを開いた私は、中の写真に呆然としてしまった。





ドクドクと心臓が存在を主張する中、早く確認しなくては、という焦りからか、手が少し震える。

何度も日付を確認して、他のファイルの中身を端から順に見て行く。

写真を撮り始めたらしい一番古い日付のファイルには、誰も写っていない風景写真から始まっていて、後半の日付になるに連れて、私と遥、二人で撮った写真へと変わっている。


うん、日付は……間違ってなさそうだ。私にもこの時彼が写真を撮っていた記憶がある。


…………でも。


その、“間”が……おかしい。

最新のファイルの日付を確認した上で、もう一度一年半前の写真のファイルへと戻って……背筋がゾッとした。



そこには、私が“一人”で写っていて。



私だけでなく、私のマンションの外観、ポスト、階段、家の玄関のドア、部屋の番号の表札……。

そして私が、全て隠し撮りされたような状況で、写真に写っている。




───……勿論、一年半前は、遥と知り合う前だ。