「ゴ、ゴメン、優香……」


面倒臭い事が大嫌いな優香だ。
それでなくても、巻き込んでしまった事に申し訳なさを感じて謝ると、優香が徐に溜息を吐いた。


「本当、超ワクワクしてたのに一気に萎えた。でもまぁ、話に乗ったのは私なんだから、夏美は気にするのやめな。もっと面倒い」


優香らしい慰めの言葉に苦笑いを零すと、彼女が携帯をバッグにしまって歩き出したので、私も慌ててあとをついて行く。


「取り敢えず、GPSや盗聴器ではないっぽいよ。最初私に夏美の事を聞こうと電話したけど出なかったから、その後ウチの営業に電話したって。そしたら、私と一緒に帰るのを見たって聞いて、私に鬼電して来たみたい」


なんとなくホッとしたような、でも遥の執念深さに苦笑いを浮かべていると、優香が「イケメンだけど執念深過ぎて、かなり引いたわ」と付け足した言葉に、私も思わず頷いた。


「……遥、なんて?」

「今すぐ迎えに行ってもいいですか?って。何も話聞いてないのに帰すかよって思ったから、せめて一時間は時間くれって言ったの。でも、住所教えて欲しいからまた後から電話するってさ。迎えに来るのは絶対らしいよ?」


優香が御愁傷様とでも言いたげな表情で私を見たので、思わず視線を伏せた。