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あれから会社に着いて、すぐに携帯をマナーモードに切り替えた。
もし、また遥からの着信があっても、無視出来るようにだ。
結婚してから今まで、返信が遅くなる事はあっても、無視した事は一度もない。
だから遥が、それに対してどんな反応をするのか想像がつかないけれど、少しは気にしてモヤモヤすればいいのに、と思う。
……我ながら小さ過ぎる反抗だとは思うけれど、そのまま受け入れるなんてとてもじゃないけど出来ないので、どんなに小さくても現状に対する反抗は、何かしらしていないと気が収まらない。
案の定、仕事が終わって携帯を見てみると、遥からのメールが十件も溜まっていて。
最初は、
【なっちゃん今忙しい?】
から始まって、最終的には、
【何かあった?心配なので仕事終わったら電話下さい】
に変わっていて、その後に遥から電話の着信が三件も入っていた。
少しだけ、心配している様子の遥の反応に申し訳なさを感じたけれど、それでもそのメールの中に、一言も今日の“残業”を取り止める内容の文面がない事に、まだまだ悔しさの感情の方が勝ってしまう。
あれから会社に着いて、すぐに携帯をマナーモードに切り替えた。
もし、また遥からの着信があっても、無視出来るようにだ。
結婚してから今まで、返信が遅くなる事はあっても、無視した事は一度もない。
だから遥が、それに対してどんな反応をするのか想像がつかないけれど、少しは気にしてモヤモヤすればいいのに、と思う。
……我ながら小さ過ぎる反抗だとは思うけれど、そのまま受け入れるなんてとてもじゃないけど出来ないので、どんなに小さくても現状に対する反抗は、何かしらしていないと気が収まらない。
案の定、仕事が終わって携帯を見てみると、遥からのメールが十件も溜まっていて。
最初は、
【なっちゃん今忙しい?】
から始まって、最終的には、
【何かあった?心配なので仕事終わったら電話下さい】
に変わっていて、その後に遥から電話の着信が三件も入っていた。
少しだけ、心配している様子の遥の反応に申し訳なさを感じたけれど、それでもそのメールの中に、一言も今日の“残業”を取り止める内容の文面がない事に、まだまだ悔しさの感情の方が勝ってしまう。