「はい、バンザイして」

「わ、分かった、分かったから!でも、服ぐらいは自分で脱ぐから、遥は後から来て!」


これ以上抵抗しても無駄だと思った私は、遥の背中を外へと押し出す。

たまに一緒にお風呂に入る事はあるけれど、やっぱりいまだに恥ずかしさはあって。

流石に脱衣所から一緒というのは、今まで私が恥ずかし過ぎて頑なに拒否していたのでなかった。

だから今日も、ドアを閉めてホッと息を吐き服を脱ごうとした瞬間──。

再度ガチャッとドアが開き、えっ?と思った時には、トンッ──と軽く、壁側に身体を押し付けられていて。


「! はるっ……」


驚いて彼の名を呼ぼうとした私の声は、遥の口に塞がれ、言葉ごとのみこまれた。


「……っ!」


キスをしながら、遥が器用に私の服を脱がせて行く。

普段どちらかというと穏やかなタイプの彼だけれど。
……一度スイッチが入ってしまうと、止められなくなる。

遥は私が白シャツの上から着ていたニットを器用に脱がせると、キスをしたまま右手でシャツのボタンを一つずつ外し、左手でブラのホックをパチンと外す。