久しぶりの再会だったのだから、ここは私が気を利かせるべきなのに、なんとなくそれが出来ない自分がいた。


「……遥、妹さんとは仲良かったんだね」


エントランスからロビーへと入りながら、遥をチラリと見てまた前を向く。

すると遥が、私の顔を覗き込みながらクスリと笑って答えた。


「なっちゃん、ヤキモチ妬いてる?」


ズバリ図星を指されて、ブワッと一気に耳が熱くなる。


「ち、違っ……」

「うっ……ゴメンなっちゃん、……写真撮ってもいい?」


遥が口元を手で覆いながら、頬を染めつつキラキラした瞳で見つめてくる。

あからさまに私が「は?」と、冷めた視線を遥に向けて、ツカツカと先にエレベーターへと向かうと、「えぇ!?そんな!!だって今の絶好のシャッターチャンス……!」なんて喚きながら、後ろから慌ててついて来た。

……こんな人が、本当にサイボーグみたいだったのかと思わず疑いたくなる。



だけど本当は、彼のいつもの反応が嬉しくもあって。


―――女の勘、というヤツなのかもしれない。

二人が再会した……あの瞬間。


……拭いきれない違和感を、感じた自分がいたから――。