それから3日。
私と郁人くんは毎日、放課後に集まって数学の勉強をしたんだけれど。
「全然解けるようにならない…」
「つーか教科書の意味がわからねえ…」
2人で食堂で頭を抱えてしまった。
色々調べたり、ユリやスミレに聞いたりして頑張ったんだけれど、あまりにもスローペースなためまだ範囲の5分の1くらいしか終わっていない。
これじゃあテストに間に合わないよう…!
しかも、授業が終わるとすぐに郁人くんが迎えに来てくれるせいで、茜くんにも会えていない。
正直それが1番応える…。
「…私、ちょっと飲み物買ってくるね」
「ん、いってらっしゃーい」
すっかり切れてしまった集中力をなんとかしようと、購買会でアイスココアを買った。
気分転換には甘いものがいいって聞くから。
「あれ、三好ちゃん!」
と、突然声をかけられて、振り返ると要くん。
そして、茜くんと、特進科のみんな。
…もちろん、雪音ちゃんも。
「あ、桃ちゃん。久しぶり」
にこにこしながら挨拶してくれる雪音ちゃんに、「久しぶり」と笑い返す。