“来る”


心の中で自分に警鐘を鳴らす。


深呼吸をして心の準備を整え、じっと扉に目をやると

次の瞬間、バンと凄い勢いで扉が開いた。



“来たっ!”



『お、おはよう』



動揺を隠し、寝癖を隠し

平常心を装いつつ、泉に朝の挨拶をすると



『何、おどおどしてんのよ!』



と、恐ろしい目で睨みつけられる



泉は、俺の準備しておいたスリッパに無造作に足を突っ込むと
部屋の主である俺を置いて、さっさとリビングへと入って行った


そして・・・



『シュウ兄おはよう』



まるで魔王の降臨のような泉の登場の後

甥っ子の拓海が姿を見せた。



『おはよー、拓』



拓海は、不幸中の幸いか?
見た目もだが中身もかなり兄貴寄り。