そしてほぼ三十秒後、



“ピンポーン”



計ったように正確に玄関のチャイムが鳴った

一応ドアスコープで確認すると、いつもより何だか微妙に?疲れた顔の柊が立っている

ドアロックを解除して、扉を開くと、
やっぱり様子がおかしい柊が、倒れるように部屋へとなだれ込んで来た



『どうしたの?』



玄関先で寄りかかってきた彼に驚いて、
扉を閉めてから声をかけた。



『や、疲れたっつーか、腹減った・・・』



リビングに招き入れ、ダイニングの椅子に柊を座らせた

取りあえず急いで食べさせようと、出来たてのおかずをテーブルに並べる



『すげー・・・。』



そう言ってようやく彼の目が生気を取り戻し

ふたり、テーブルに向かい合って手を合わせる



『いただきます』



そう言って、箸を手に取った瞬間

柊は猛烈な勢いで、
手当たり次第にテーブルじゅうの食べ物をかきこみ始めた。

それは、食事してなかったの?って不思議になるくらいすごい勢いで!

“旨い旨い”と連発しながら、あたしより三倍は速いスピードで・・・
三倍量の夕食をペロリとたいらげてしまった。