『いいよ』
とびきりの甘さを湛えて彼が言う
『明日・・・
・・・晴れたらいいな』
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翌日日曜日
カーテンを開けて見上げた空は
『雨・・・』
嘘・・・?!
何度も見上げてみるけれど、やっぱり空は雨模様
考えてみれば私達
出会いは雨
初デートは雪
なんだかお天気にはついてない・・・
がっくりと肩を落としてリビングへと向きを変えると
突然、手の中にあった携帯が、着信を知らせ鳴り始めた
『おはよ、起きてた?』
かけてきたのは柊
『あ、うん、起きてた』
雨だね・・・
を言いたくなくて、何となく言葉に詰まるあたし
『占い、見た?』
えっ?あれ?
リビングの掛け時計を見て驚く
『ごめんなさいっ!
もう終わっちゃったかも!』
思った以上に長い時間、空を眺めていたらしく
気がつくと今日の星占いの時間を微妙に過ぎている・・・
『や、大丈夫。
俺見たし。』
『え?』
余りにも意外な言葉に、耳を疑うけど
『見たよ?』
彼はもう一度あたしにそう言った
『今日の魚座の運勢は第三位
で、余裕をもった行動が吉
ラッキーポイントは植物園?』
『植物園?』
『うん、植物園。』
植物園・・・って一体何処にあるんだろう?って考えてみる
思い当たらない・・・
すると柊が
『熱海あたりに足を延ばせばあったような気がすんだけど・・・
余裕をもった行動が吉、らしいからさ、かなり早いけど今から準備して出掛けようか。』
と、そんな事を口にした