蒼side
「お前、機嫌悪すぎ。」
「あ?」
体育の授業中。
一緒にランニングをしていた、藤堂 千紘(トウドウ チヒロ)に指摘されて初めて気がついた。
俺、機嫌悪いのか?
「あ?って…、何?何かあったの?」
「別に!!」
そういうと、千紘は小さく笑った。
何だコイツ…。
「天空ちゃんに何か言われただろ。見てれば分かる。」
天空?
「何で天空が出てくるの?」
「だってお前…いや、やっぱいい。
気づいてないなら。じゃ、お先。」
そう言って、千紘は俺を抜かした。
「ちょ、待てよっ!千紘!」
コイツのこういう所が嫌いだ。
藤堂千紘は俺の中学からの親友。
クールな感じで俺なんかよりずっと大人っぽい。
それなりにモテるらしいし。
確か、千紘と天空も知り合いでそれなりに仲も良かったはずだ。
大人っぽい千紘は俺の事を、天空程じゃないけど分かっていて分かっているからこそ、こういう風に煽ったり茶化したりしてくる。
腹立つ…。
俺は何故か凄くイライラしていた。
そう言えば…千紘に先程言われた言葉を反芻する。
『天空ちゃんに何か言われただろ。見てれば分かる。』
言われてみれば、俺がイライラしてるのは天空から朝倉の名前を聞いた時かもしれない。
朝倉楓
今年からの新米教師の癖に、ちょっとイケメンだからって人気の高い先生だ。
でも、俺はあいつが嫌いだ。
何か掴み所のない性格で俺らを格下に見てる気がする。笑った顔もムカつく。余裕があるっていうか、大人の魅力?ってやつか?
下らねぇ。あんなのに騙されるの女子も、
知りたいの!なんて言う天空も。
「おい、八坂!ちゃんと走れ!」
体育の教師、小林に怒鳴られた。
あいつ、女子が歩いてても何も言わない癖に、男子にだけ怒鳴ってきてムカつく。
ああ、今日なんかダメだ。
俺はムシャクシャする気持ちを何とかしたくて、
ペースを上げた。
「蒼、飛ばしすぎだろ。」
「お前、機嫌悪すぎ。」
「あ?」
体育の授業中。
一緒にランニングをしていた、藤堂 千紘(トウドウ チヒロ)に指摘されて初めて気がついた。
俺、機嫌悪いのか?
「あ?って…、何?何かあったの?」
「別に!!」
そういうと、千紘は小さく笑った。
何だコイツ…。
「天空ちゃんに何か言われただろ。見てれば分かる。」
天空?
「何で天空が出てくるの?」
「だってお前…いや、やっぱいい。
気づいてないなら。じゃ、お先。」
そう言って、千紘は俺を抜かした。
「ちょ、待てよっ!千紘!」
コイツのこういう所が嫌いだ。
藤堂千紘は俺の中学からの親友。
クールな感じで俺なんかよりずっと大人っぽい。
それなりにモテるらしいし。
確か、千紘と天空も知り合いでそれなりに仲も良かったはずだ。
大人っぽい千紘は俺の事を、天空程じゃないけど分かっていて分かっているからこそ、こういう風に煽ったり茶化したりしてくる。
腹立つ…。
俺は何故か凄くイライラしていた。
そう言えば…千紘に先程言われた言葉を反芻する。
『天空ちゃんに何か言われただろ。見てれば分かる。』
言われてみれば、俺がイライラしてるのは天空から朝倉の名前を聞いた時かもしれない。
朝倉楓
今年からの新米教師の癖に、ちょっとイケメンだからって人気の高い先生だ。
でも、俺はあいつが嫌いだ。
何か掴み所のない性格で俺らを格下に見てる気がする。笑った顔もムカつく。余裕があるっていうか、大人の魅力?ってやつか?
下らねぇ。あんなのに騙されるの女子も、
知りたいの!なんて言う天空も。
「おい、八坂!ちゃんと走れ!」
体育の教師、小林に怒鳴られた。
あいつ、女子が歩いてても何も言わない癖に、男子にだけ怒鳴ってきてムカつく。
ああ、今日なんかダメだ。
俺はムシャクシャする気持ちを何とかしたくて、
ペースを上げた。
「蒼、飛ばしすぎだろ。」