教室がザワつく。


「え!?めっちゃイケメン!!」
「小野寺じゃなくて朝倉先生がいい! 」
「6組、羨ましいー!」


本当、綺麗な顔。

何よりにこっと笑った優しい顔が凄く素敵。
こんなに綺麗な人、初めて出会った。


心臓がドキッとした。


これが恋なの?


一目惚れなんて小説の中だけだと思ってた。


「ねぇ!天空!朝倉先生、めっちゃイケメンだねっ!…天空?」

「…え!あ、ごめん!何?」


隣のなっちゃんが話しかけて来たことなんて気が付かないほど、私は先生の全てに心を動かされていた。


「だーかーら、イケメンだねって!」

「うん、本当。」

「え!天空が褒めた!?
何?どうしたの?熱?具合悪い?」

「失礼だな。私だって、褒めるよ!」

「いやー、珍しい。少なくとも私は初めて見た!」


失礼なヤツだな。と思ったけれど、
思い返してみると確かになっちゃんの言う通り、高校生になってからなっちゃん以外の人を褒めたのは初めてかもしれない。

それに、思っても言ったりしないから…。


でもさ、そう思わず言ってしまうくらい綺麗なんだもん。何だかクラスの人たちとは全然違う。
周りからキラキラってオーラみたいなそんなのが出てる。


「それじゃあ、授業を始めます。今日は…俳句ですね。」


私は初めて授業を楽しみと思った。