「俺が「one sin」で指輪を探している時に、今度日本の店をオープンすると話しをしたら、店のスタッフが興味を持ったみたいでな。トントン拍子で決まったんだよ。それが日本のスタッフにも伝わって、翠の店の店長が、おまえを推薦したみたいだな。」
色は、「落ち着いたら俺から頼もうと思ってたが、先を越された。」と、少しだけ悔しそうにしていた。
「私がギリシャで働けるんですか?「one sin」のスタッフとして、冷泉様の仕事を手伝えるんですね。……すごく嬉しいです!冷泉様、ありがとうございます。私、頑張りますっ。」
「あぁ、期待してる。」
ベットに二人で横になりながら、嬉しい報告を聞く。そして、色に頭を撫でられて、ますますやる気が出てきた。
大好きな祖母が生まれた、憧れのギリシャ。そして、恋人になった大好きな人のために働けるのだ。
これ以上、幸せなことはないと翠は思っていた。
「なんか幸せすぎて、怖いです。一気に夢のような気分です。」
「俺の恋人になってだ。まだまだ、もっと幸せにしてやるから、覚悟しておくんだな。」
「冷泉様………。」
色の殺し文句を言われてしまい、翠は顔を真っ赤にしてしまうが、色はお構い無しに、翠の額にキスを落とした。
「岡崎店長にもお礼を言わなきゃですね。」
「この状況で、他の男の名前を出すな。」
「あ……ちょっと待ってください!あの何も着てないから、恥ずかしい、、、。」
翠は、色に優しく背中や太ももを撫でられて、ビクッと体を震わせてしまう。昨日沢山熱を与えられた体は少しでも彼から刺激を貰うとすぐに反応してしまうようだった。
「昨日、全部見たのに、恥ずかしいのか?」
「恥ずかしいですよ!!」
そう声を上げながら、翠は抵抗しようと体を動かしていると、「ぐぅーー。」と、お腹がなってしまった。少し恥ずかしくなりながら、お腹を押さえ考えてみると、昨日の昼から何も食べていなかったので、大分空腹になっているようだった。
「そういえば、昨日の夕食食べてないな。打ち合わせがてらに、何か食べに行くか。シャワー浴びてから出掛けようか。」
色にそう言われ、翠は頷いた。
一緒にシャワーを浴びるかと、誘われた翠だったが、それは恥ずかしすぎる誘いだったので、シーツにくるまりながら、一人でバスルームに向かったのだった。