あのときみた簪があったところまで店を奥に進んだ。 しかし、あの簪は見当たらない。 売れてしまったのだろうか。 「そこにあった簪なら売れちまったよ。すまないね。」 「そうですか。ありがとうございました。」 店主に礼をいうと店を出た。