文久3年10月 原田はさよを連れて京の店を回った。 原田が浪士組だと知った日に見つけた簪の店の前でさよは立ち止まった。 「何か欲しい物でもあったか?」 「いえ。」 「遠慮なんかしなくていいんだ。少し見ていこう。」 「ありがとうございます。」