「でも、そうしたら遅れてしまいますよ?」

あたしには、反面脅しに聞こえる。

ごめん、雛。あたしのせいで迷惑かけて。

「……じゃ、お願いします。」

雛は結構送って貰うことにしたみたい。それなら、安全だね。

あたしは、雛の声とドアの閉まる音がしてから、家を出た。

あたしは自転車に乗って、駅まで行く。

朝から、あたしは太陽に向かって歩いていく。

闇のあたしが、光に照らされるのは嫌いだ。

時間になると、音楽がなって電車が来る。

通勤ラッシュで満席で初めの方は戸惑ったけど、今はもう慣れっこだ。

頑張って座っているし、痴漢もない。

あたしはカバンの中からスマホをとりだして、イヤホンを取り付け、音楽をかけた

そして、耳に突っ込んだ。

……昨日のこと、アイツに報告しなきゃ。

あたしはメールアプリをタップすると、1番上にあるアイツにことばを打っていく。

[きのう、何故か雑魚がいた。]

そうメールすると、意外にも既読がついた。

すると、返信が返ってくる。

[また、出没する可能性が高い。見張るように。]

あたしは彼のメールに返事を書くと、スマホの電源を落とした。

駅について、太陽に向かって歩く。

眩しい。

これが、あたしの日常だ。

平凡で、なにも起こりはしない。

それで、いい。

そのまま、平凡で平和でいれば。