キキッー!

甲高い音と、ぶつかる鈍い音、それから当たった衝撃。


「…出るぞ」

瀬吏の声が響いて、慌てて車から降りる。

玻取は運転手に話を聞いている。

「…飛び出してきたっぽいな」

衝突したのは、バイクにのった若い青年。みんなの対処は早く、櫂茉が救急車、瀬吏が応急処置、玻取が状況確認、そして紫土と陽楓は周りを整備している。

「……これって…」

その青年からヘルメットをとった櫂茉がふと呟いた。

「……まじかよ」

普段はあまり敬語を崩さない瀬吏でさえも、びっくりしている。

そのタイミングで、あたしの携帯はバイブする。

「類衣さん……?」

電話の相手は、類衣さん。ことが起こった後にかけてくるなんて…。

「あなた、あたしのこと監視してるの?」

あたしはみんなから離れて、ふと浮かんだ答えを投げかける。

「まさか、お前が”紅嵐(くらん)”のやつと一緒だとはな。」

「……く、らん?」

「なんでもいいが、気をつけろよ。その事故は”前兆”だ。」

そして、電話は切れた。

……あたしは不思議に思って倒れているその人の方を向く。

「……っ?!」

そのひとの首筋に着いていたのは……あたしや彼らしか分からないであろうロゴが入っていたのだから……。


「……”Leo”……」

獅子座のロゴが、彼の首筋にあった…。