ゲームの経験は余りないんだけど、雛みたいに上手くできるだろうか。

「1回戦目、わたし見学するー」

ゲームの様子をうかがうため、見学。すると開始3分で櫂茉の圧勝。玻取は直ぐにまけていたし、陽楓はステージから落ちていた。

「よしー、わたしの番だね」

そうやってニヒルに笑うと、紫土と目が合った。

「俺もする」

短くそういうと、紫土もゲームに参戦。1番に負けた玻取と変わったらしい。

始まりの音声が流れると、紫土の選んだキャラはあたしのほうにまっしぐらにくる

あたしはそれをなんとかよけながら、陽楓を飛ばした。

それから紫土が櫂茉を飛ばした。ここからは直接対決だ。

紫土ってゲームしてなさそうにみえるけど結構強いんだよね。

一進一退の攻撃をしばらく続けると、パーセンテージがあがってくる。ここであたしは渾身の蹴りをして、紫土を倒した。

「いえーい」

近くにいた陽楓とハイタッチ。今回も雛の勝利は守られたのだった。

「雛凛、そろそろ送ります」

あたしの背後からやってきたのは、ダテメをかけた瀬吏。

雛を送るのは毎日変わっているらしい。

「はーい」

あたしは素直に返事をして、準備に取り掛かる。

「雛、ばいばーい!」

陽楓が愛くるしく、あたしに否雛凛に手を振る。

「雛凛、また勝負だ」

あたしの頭にぽんと手を乗せたのは紫土。

「あしたは来なくていいからな」

そっぽを向いて、なにか赤色のジュースを飲んでいる金髪男、櫂茉。

「櫂茉、そーゆこといわない!雛凛、またあした」

玻取は相変わらずの笑顔であたしを送り出してくれた。