「みなさん、雛凛さん、こんにちは!」

キラキラと光る瞳を、あたしに向けた。

雛凛はここにいり浸っているみたいだ。下っ端くんたちが雛凛のことを分かっているなんて。

……まさか、ここの姫、とかないよね?

「なにボケっとしてんだよ、行くぞ」

瀬吏か、と思わえば紫土。彼らのことはよくわからない。

だって瀬吏も紫土もほかの暴走族では総長の座に君臨するほどのオーラを持っている。実力だって、半端じゃないはずだ。

どちらも怖い雰囲気を纏ってる。なのに、どちらかが上なんて、少しおかしい。

「あ、うん」

まるであの時のあの人たちを見ているようで、少し好奇心に溢れた。

階段を登って、奥の幹部室へ。

「……へぇ、意外と広いんだ」

「なんかいったか?」

あたしの後ろにいた玻取が反応する。

「ううん。なんでもないよ」

この人たちの幹部室はなんとドアをあけて、靴を脱ぐスタイル。

カーペットは見るからにふかふかだしライトは豪華でソファは革。

「雛!ゲームしよーぜ!」

イキナリ陽楓はあたしをゲームに誘う。あたしはカバンを控えめなところに置くと、陽楓の近くへ急いだ、

陽楓があたしにしようと誘ったのは、バリバリの格闘ゲーム。

「よっしゃ!俺もする!」

それをみた櫂茉も参戦する。どうやらあたしは今この幹部の中でこの格闘ゲームで全勝のチャンピオンらしい。

「今日こそ勝ってやる!」

玻取も参戦して、やる気満々。紫土はひとりでコーヒーをいれて雑誌を読みながら飲んでいる。

瀬吏は黒縁みがねを掛けて、パソコンをいじっている。あれはハッキングしてるっぽい。