「なんですか、今日は。入れ替わりプレイですか?」

ニヤニヤする彼にあたしは平然と答える。

「雛が熱出したのよ。」

あたしの言いたいことがすべて分かってしまったのか、へぇーと相槌を打った。

「”Master”、最近イライラしてますよ。」

「まあ、それはそうなんじゃない?自分の思った通りに動くと思ってた”doll”がそうじゃないんだから。」

あたしは薄笑いを浮かべた。あたしにとってはそれは表面上のもの。

あの人の感情なんて、どうでもいい。

ただ、あたしにはやらなきゃいけない事があって、それに向かうしかない。

あたしの未来には、ひかりがない。

「”dark”もそうなんじゃない?」

問い詰めるよな、そんな感じのあたしのことば。

「まあ、ね。」

「そういえば、琉成ってこの学校だったのね。」

あたしが、琉成のことを知っていたのは高校生で”Master”の仲間であることだけ。

それが最高で最低だからだ。

「そうですね。俺は雛さんがこの学校ってしってたんですけど。」

「なんであたしが、”姫凛”ってわかったの?」

あたしは最高までに雛に近ずけていた。

なのに、見破られるなんて。

……さすが、”_____”No.1の観察力。

「雰囲気と力ですよ。」

あたしには、その返答の意味が分からなかった。

だけど、これ以上掘り下げてわかるものでもない。

「はやく、来なよ?”master”も、”Owl”も、待ってるから。」

チャイムがなろうとしていた時、彼はあたしのかけた鍵をいとも簡単に外して行ってしまった。