あたしはそのヘナチョコパンチを避け、急所を蹴りあげた。

「このアマァァ!!…」

さらに殴りかかってくる。3人で周りを囲われると邪魔なんだけど。

距離を取ろうと後ずさりすると、予測不可能のことが起こった。

「ぐはっ!」

あたしの隣を陣取っていた2人が一気に倒された。

「……え、」

周り蹴りで倒そうとした標的が倒れていく、

「………姫さん。」

え、嘘でしょ…。なんで、いんのよ。

「ちょ、琉成(りゅうせい)!」

当の彼はキョトンとした顔で、ここの高校の制服を着ている。

とりあえず軽くもう1人を蹴飛ばして口止めすると、空き教室に向かった。

部屋にはいると、あたしはすぐさま鍵をかけた。

「姫さん相変わらず慎重ですねー。」

なんて苦笑いしている。

この金髪と茶髪のあいだぐらいで、天然パーマの男、琉成はあたしと同じくあいつの手下だ。

だけど、あたしは幹部だから、琉成よりは上。

琉成が基本とするのは情報収集。まあ、昔で言う感じの忍びみたいな。

「まあね。”雛凛”だから。」