目覚めを知らせる不快な機械音。

定刻になるそれは、時間を表すもの。

着替えて下に下りるといつもは起きているはずの雛がいなくて、部屋に向かう。

「雛ー?入るよー?」

落ち着いたパステルで統一された可愛らしい部屋。

あたしの殺風景な部屋とは違う。

「姫凛、わたし熱出ちゃった…かも、」

あたしはあたしの手を彼女の額へ持って行った。

やっぱり熱が出ていた私は下へ降りて看病道具を持った。

「ねぇ、姫凛。今日、代わりに”雛凛”してきてくれない?」

たしかに、あたしが雛凛になっていくべきなんだと思う。

家に2人しかいない今、熱で出れない彼女以迎えにくる彼らに会うことかできるのはあたしだけ。

だけど、この顔が見られては双子がバレてしまう。

………それだけは……それだけはとめないと。

「わかっ……た。制服借りるね。」

彼女の制服に腕を通す。

それから、極限まで彼女に近づけた。会社には休むと連絡を入れて。

別にあたしはサボろうとなにも言われない。

あたしは会社の社長……あたしを利用している人物の___なんだから。

朝ご飯とお粥を作り、お粥は雛のところへ持っていった。

慌ててしたくを始めると、インターホンがなる。

その音にビクつきながら、あたしは玄関を開けた。

「……お、おはよ、」

ちょっと待っててね、といってカバンと必要なものを持った。