かいと「……」
かいとは、目が覚めた瞬間ここが集中治療室だということがわかった。
かいと「……隣に人がいる」
久しぶりの酸素マスクに違和感を感じながらかいとはそっと横を向いた
そこには、同じようにして横を向いた女性がいた。
絵莉「……あなた名前は?」
かいと「新城……かいと」
絵莉「新城……どこかで聞いたことがあるような。」
なぜ、自分の名字を知っているのか疑問に思いながらかいとは尋ねた。
かいと「あなたは?」
絵莉「私は、絵莉……黒崎絵莉」
かいと「なぜ、僕の名字を?」
かいとは薄々聞いてみた
絵莉「教授から聞いたような気がするの……」
かいと「教授?」
かいとが疑問に思っていると優がやってきた。
優「目が覚めたか、優と……絵莉ちゃん」
絵莉「……はい?」
絵莉はとまどいながら返事をした。
優「あっ……いや麻友子から名前聞いてて……」
絵莉「麻友子先生から?」
優(麻友子先生って呼ばれてるんだ。)
優「うん、じゃ麻友子呼ぶね」
優は携帯で麻友子を呼んだ
優「これでよし」
かいと「キャッ優先生のセクハラだ~」
かいとは黒い笑みを浮かべた。
優「違うってば、そんなこといったら外出許可は二度と出しません。」
かいと「えっそんなことしたら麻友子ちゃんにいいちける」
優「……それは」
麻友子「優先生がどうしたって?かいと君」
麻友子が来た
優(早いな)
かいと「優先生が患者さんにセクハラして、それを麻友子先生に報告しようとしたら、外出許可は二度と出しませんといわれました。」
かいと「これは、セクハラとパワハラの疑いがありますね」
麻友子「こら、優君」
優「ごめんなさい」
絵莉「仲がいいんですね」
麻友子「ただの茶番よ」
かいと「そうそう、麻友子さんと僕がしょうがなく兄さんの相手してあげてる」
優「二人ともひどくないか」
麻友子「じゃ、バイタル計るね」
かいと「はい、麻友子先生」
優「俺は無視ですか?」
麻友子「優バイタル計るの忘れない」
優「……はい」
麻友子「絵莉ちゃんのバイタルも私が計るから、優はおとなしくカルテ整理ね」
優「はい」
麻友子「セクハラに絵莉ちゃんは一手も触れさせませんからね」
優「だから違うって」
かいと「ふふ」
絵莉「面白いですね」
優「本当に違うから、ね絵莉ちゃん」
優は絵莉に助けを求めた。
絵莉「それはどうでしょう」
絵莉は黒い笑みを浮かべた
優「絵莉ちゃんまでーー」
ーー医局ーー
ここ医局では、医者の仕事場の1つであるデスクが並べられている。
一番奥が教授のデスクで、医者として新入りである優と麻友子のデスクは入り口から近い位置に、向かい合って並べられている。
そのためか、麻友子のデスクに優の書類が散乱している。
もちろん、個人情報であるカルテは大切に保管されているのだか、優の私物である参考書や雑誌、ノートは散らばったままだ。
このままだと、麻友子の机も優の私物だらけになってしまうかも知れない。
我慢の限界が来たのか、麻友子はいった。
麻友子「新城先生」
普段は、名前で優のことを呼ぶが怒ったときは名字呼びなのだ。
優「カルテ整理ならしましたよ?」
優は麻友子が怒ってると気がついたら、瞬時に敬語になる癖がある。
麻友子「私物が散乱してます。」
麻友子はパソコンで患者のカルテを見ながらいった。
優「そのうち、片付けます」
優もまた、患者のカルテを見ながらいった。
麻友子「そのうちっていつ片付けるんですか?」
優「………………」
麻友子「優先生?」
いつもなら、すぐ返事するのに、今はしない。
患者の病状が悪化しているのか。
麻友子は優のパソコンに表示されているカルテをみた。
患者名は 『新城 かいと』 優の弟であった。
麻友子「これって?」
優「悪化してる」
次、投与する薬で効果が無ければ、残る治療法は一つしかない。
そのくらいまで、かいとの病状は悪化していた。
優「移植を検討する必要があるな」
優はしぶしぶ、麻友子にいった。
麻友子「優…………」
弟のために、参考書を読み物、ときにはクマを作って患者に心配されていた優にとって、辛いに違いない。そう麻友子は思った。
優「俺が、弱気になってもしょうがない。」
優「治療方法考えないとな」
麻友子「考えたら、机片付けてね」
麻友子は優しくいった。
優「そうだな」
かいとの回復を信じる麻友子と優なのだ。
ーー集中治療室ーー
少し、回復したかいとは受験勉強をしていた。
その様子を、どこか懐かしさを感じながら、絵莉は見ていた。
絵莉「受験勉強?」
かいと「来年の春に大学受験するので」
かいとは、参考書を解きながらいった。
絵莉「学部はどこ受けるの?」
かいと「医学部です」
絵莉「医学部か~」
絵莉は嬉しそうにいった。
かいと「医学部がなにか?」
医学部に何か思い入れがあるのか、かいとは疑問に思った。
絵莉「後輩だなって思って」
もしかして、絵莉は自分が目指している医大生なのか。かいとは改めて聞いた。
かいと「医大生ですか?」
絵莉「うん」
かいと「あの……」
絵莉「何?」
かいと「ここの問題がわからないんですけど」
かいとはわからない問題があったので、参考書を絵莉に見せた。
絵莉「ここは……」
絵莉の解説は、優と同じようにわかりやすい。
そう思いながら、聞いていた。
そこへ、優と麻友子がやってきた。
優「勉強してるね~」
麻友子「勉強してるねじゃないでしょ?」
優「いいじゃん、青春って感じで」
麻友子「はあ、二人とも勝手に酸素マスク外さない。それと、集中治療室に参考書持ち込まない。」
かいと「でも、兄さんは……」
かいとの参考書は優が持ち込んできたものだった。
麻友子「優」
優「……すみませんでした。」
かいと「もう、元気ですよ。早く一般病棟に移してください」
麻友子「明日移っていいわよ」
かいと「本当ですか?」
かいとは、びっくしりした。
なぜならこんなに早く一般病棟に移れるなんて思ってもいなかったからだ。
麻友子「そのかわり、徹夜は無しね」
受験勉強となると、かいとはついつい徹夜してしまう癖があった。
そして、発作を起こしていたのだ。
かいと「……わかりました」
麻友子「うん、二人とも同室でいいよね」
かいと「いいんですか?」
かいとは嬉しかった。
同室になれば、絵莉のわかりやすい解読が聞きやすくなるからである。
麻友子「絵莉ちゃんがよかったらね」
絵莉「はい、嬉しいです」
絵莉もまた、自分の後輩になるかもしれない、かいとの勉強を教えられるので、喜んでいた。
麻友子「じゃ手続き進めておくね」
絵莉「ありがとうございます」
麻友子「じゃそれ伝えにきただけだから、優いくよ」
優は麻友子に怒られてがっかりしていた。
麻友子「落ち込まない、早く机を片付ける」
優「はい」
麻友子「とりあえず、かいと君の参考書はいったん預かるね」
かいと「……はい」
新城兄弟を綺麗にまとめる麻友子をみて絵莉はすごいと思った。
絵莉「麻友子さん、綺麗にまとめますよね」
麻友子「まとめないと、この二人はダメだからね」
優・かいと「すみません」
かいとは、目が覚めた瞬間ここが集中治療室だということがわかった。
かいと「……隣に人がいる」
久しぶりの酸素マスクに違和感を感じながらかいとはそっと横を向いた
そこには、同じようにして横を向いた女性がいた。
絵莉「……あなた名前は?」
かいと「新城……かいと」
絵莉「新城……どこかで聞いたことがあるような。」
なぜ、自分の名字を知っているのか疑問に思いながらかいとは尋ねた。
かいと「あなたは?」
絵莉「私は、絵莉……黒崎絵莉」
かいと「なぜ、僕の名字を?」
かいとは薄々聞いてみた
絵莉「教授から聞いたような気がするの……」
かいと「教授?」
かいとが疑問に思っていると優がやってきた。
優「目が覚めたか、優と……絵莉ちゃん」
絵莉「……はい?」
絵莉はとまどいながら返事をした。
優「あっ……いや麻友子から名前聞いてて……」
絵莉「麻友子先生から?」
優(麻友子先生って呼ばれてるんだ。)
優「うん、じゃ麻友子呼ぶね」
優は携帯で麻友子を呼んだ
優「これでよし」
かいと「キャッ優先生のセクハラだ~」
かいとは黒い笑みを浮かべた。
優「違うってば、そんなこといったら外出許可は二度と出しません。」
かいと「えっそんなことしたら麻友子ちゃんにいいちける」
優「……それは」
麻友子「優先生がどうしたって?かいと君」
麻友子が来た
優(早いな)
かいと「優先生が患者さんにセクハラして、それを麻友子先生に報告しようとしたら、外出許可は二度と出しませんといわれました。」
かいと「これは、セクハラとパワハラの疑いがありますね」
麻友子「こら、優君」
優「ごめんなさい」
絵莉「仲がいいんですね」
麻友子「ただの茶番よ」
かいと「そうそう、麻友子さんと僕がしょうがなく兄さんの相手してあげてる」
優「二人ともひどくないか」
麻友子「じゃ、バイタル計るね」
かいと「はい、麻友子先生」
優「俺は無視ですか?」
麻友子「優バイタル計るの忘れない」
優「……はい」
麻友子「絵莉ちゃんのバイタルも私が計るから、優はおとなしくカルテ整理ね」
優「はい」
麻友子「セクハラに絵莉ちゃんは一手も触れさせませんからね」
優「だから違うって」
かいと「ふふ」
絵莉「面白いですね」
優「本当に違うから、ね絵莉ちゃん」
優は絵莉に助けを求めた。
絵莉「それはどうでしょう」
絵莉は黒い笑みを浮かべた
優「絵莉ちゃんまでーー」
ーー医局ーー
ここ医局では、医者の仕事場の1つであるデスクが並べられている。
一番奥が教授のデスクで、医者として新入りである優と麻友子のデスクは入り口から近い位置に、向かい合って並べられている。
そのためか、麻友子のデスクに優の書類が散乱している。
もちろん、個人情報であるカルテは大切に保管されているのだか、優の私物である参考書や雑誌、ノートは散らばったままだ。
このままだと、麻友子の机も優の私物だらけになってしまうかも知れない。
我慢の限界が来たのか、麻友子はいった。
麻友子「新城先生」
普段は、名前で優のことを呼ぶが怒ったときは名字呼びなのだ。
優「カルテ整理ならしましたよ?」
優は麻友子が怒ってると気がついたら、瞬時に敬語になる癖がある。
麻友子「私物が散乱してます。」
麻友子はパソコンで患者のカルテを見ながらいった。
優「そのうち、片付けます」
優もまた、患者のカルテを見ながらいった。
麻友子「そのうちっていつ片付けるんですか?」
優「………………」
麻友子「優先生?」
いつもなら、すぐ返事するのに、今はしない。
患者の病状が悪化しているのか。
麻友子は優のパソコンに表示されているカルテをみた。
患者名は 『新城 かいと』 優の弟であった。
麻友子「これって?」
優「悪化してる」
次、投与する薬で効果が無ければ、残る治療法は一つしかない。
そのくらいまで、かいとの病状は悪化していた。
優「移植を検討する必要があるな」
優はしぶしぶ、麻友子にいった。
麻友子「優…………」
弟のために、参考書を読み物、ときにはクマを作って患者に心配されていた優にとって、辛いに違いない。そう麻友子は思った。
優「俺が、弱気になってもしょうがない。」
優「治療方法考えないとな」
麻友子「考えたら、机片付けてね」
麻友子は優しくいった。
優「そうだな」
かいとの回復を信じる麻友子と優なのだ。
ーー集中治療室ーー
少し、回復したかいとは受験勉強をしていた。
その様子を、どこか懐かしさを感じながら、絵莉は見ていた。
絵莉「受験勉強?」
かいと「来年の春に大学受験するので」
かいとは、参考書を解きながらいった。
絵莉「学部はどこ受けるの?」
かいと「医学部です」
絵莉「医学部か~」
絵莉は嬉しそうにいった。
かいと「医学部がなにか?」
医学部に何か思い入れがあるのか、かいとは疑問に思った。
絵莉「後輩だなって思って」
もしかして、絵莉は自分が目指している医大生なのか。かいとは改めて聞いた。
かいと「医大生ですか?」
絵莉「うん」
かいと「あの……」
絵莉「何?」
かいと「ここの問題がわからないんですけど」
かいとはわからない問題があったので、参考書を絵莉に見せた。
絵莉「ここは……」
絵莉の解説は、優と同じようにわかりやすい。
そう思いながら、聞いていた。
そこへ、優と麻友子がやってきた。
優「勉強してるね~」
麻友子「勉強してるねじゃないでしょ?」
優「いいじゃん、青春って感じで」
麻友子「はあ、二人とも勝手に酸素マスク外さない。それと、集中治療室に参考書持ち込まない。」
かいと「でも、兄さんは……」
かいとの参考書は優が持ち込んできたものだった。
麻友子「優」
優「……すみませんでした。」
かいと「もう、元気ですよ。早く一般病棟に移してください」
麻友子「明日移っていいわよ」
かいと「本当ですか?」
かいとは、びっくしりした。
なぜならこんなに早く一般病棟に移れるなんて思ってもいなかったからだ。
麻友子「そのかわり、徹夜は無しね」
受験勉強となると、かいとはついつい徹夜してしまう癖があった。
そして、発作を起こしていたのだ。
かいと「……わかりました」
麻友子「うん、二人とも同室でいいよね」
かいと「いいんですか?」
かいとは嬉しかった。
同室になれば、絵莉のわかりやすい解読が聞きやすくなるからである。
麻友子「絵莉ちゃんがよかったらね」
絵莉「はい、嬉しいです」
絵莉もまた、自分の後輩になるかもしれない、かいとの勉強を教えられるので、喜んでいた。
麻友子「じゃ手続き進めておくね」
絵莉「ありがとうございます」
麻友子「じゃそれ伝えにきただけだから、優いくよ」
優は麻友子に怒られてがっかりしていた。
麻友子「落ち込まない、早く机を片付ける」
優「はい」
麻友子「とりあえず、かいと君の参考書はいったん預かるね」
かいと「……はい」
新城兄弟を綺麗にまとめる麻友子をみて絵莉はすごいと思った。
絵莉「麻友子さん、綺麗にまとめますよね」
麻友子「まとめないと、この二人はダメだからね」
優・かいと「すみません」