■かいとの病室

麻酔による深い眠りから目覚めたかいとは、受験勉強の遅れを取り戻そうと、勉強をしていた。

優や絵莉に教えてもらった問題の解き直しをしていた。

兄のような医者になる、その夢を叶えるために勉強は欠かさないのだ。

かいとが、勉強を続ける中、病室にノックの音が響いた。

誰だろうと思って、ドアを見た瞬間佐々木教授が入ってきた。

佐々木教授「やあ、かいと君」

佐々木教授は、かいとの様子をみにきたのであった。

かいと「教授」

佐々木教授「元気そうだね」

机の上にある問題集をみて佐々木教授がいった。

かいと「治療で受験勉強が遅れた分、取り返さないといけないので」

佐々木教授「そうかい、でもたまには休憩しなよ脳が疲れるからね」

そういうと、教授は病室からさっていった。

かいと「休憩か……」

自分が志望している大学教授の言葉による影響なのか、かいとはしばらく休憩することにした。

休憩していると、優がやってきた。

優「あとちょっとで受験だな」

かいと「うん」

不安なのか、かいとの顔はいつもより元気が無さそうに優はみえた。

優「俺でも受かったんだから、かいとも受かるって」

かいとは、受験のことでも不安だったか、絵莉のことが心配でたまらないのである。

かいと「兄さん、絵莉は元気にしてるの？」

優は、どのように答えるのか迷ったがこのように答えた。

優「今、治療中だからもう少ししたら治るよ」

希望を込めて、優は言った。

かいと「そう」

優「ああ、じゃあ医局に戻るな」

かいと「うん」

さっきよりも少し元気な様子をかいとは優にみせた。

優は微笑みながら、かいとの病室を後にした。