■絵莉の病室

絵莉は病室の壁を鮮やかなものにできないか、裕子と一緒に考えていた。

裕子「絵画飾ったら?」

絵莉「それ、いいね」

絵莉は、趣味として絵を描いているのでその絵を飾ったらいいのではと思い、裕子が提案したのであった。

裕子「必要な物はある?」

絵莉は、色鉛筆とスケッチブックは持ってきていたが、絵画を書くのに必要な絵の具とキャンバスが無かった。

絵莉「絵の具とキャンバスが欲しい、小さいの」

裕子「どれくらいのやつ?」

裕子は、具体的な大きさがわからなかったので、絵莉に聞いた。

絵莉「そこにあるテレビの大きさくらいの」

絵莉は、裕子にわかりやすいように病室にあるテレビを指した。

裕子「わかった、買ってくるね」

そういうと、裕子は病院の近くにあるショッピングセンターにキャンバスを買いにいこうとした。

絵莉「あっごめん2枚買ってきて」

かいとの病室にも絵画を飾ろうと思い、絵莉は、裕子にもう1枚キャンバスを買ってきてもらうようにした。

裕子「わかった~」

裕子は、絵莉の病室を出た。
そして廊下で麻友子とすれ違った。
麻友子は嬉しそうに裕子をみつめた。

麻友子「いってらしゃい」

裕子「いってきます」

麻友子はすれ違った裕子し、絵莉の様子を見にきた。

麻友子「調子はどうかな?」

絵莉「はい、絶好調です」

そのように、断言する絵莉をみて麻友子は少し笑った。

麻友子「スケッチブックに何書いてるの?」

麻友子は、絵莉が何を書いてるのか気になったので、絵莉に聞いてみた。

絵莉「病室に飾る絵画のアイデアですかね」

麻友子「絵画か~」

絵莉「麻友子さんも書きますか?」

麻友子は絵を描くのが得意ではないので、絵莉にこのようにいった。

麻友子「私は、絵莉ちゃんの様子を見にきただけだなら」

絵莉「せっかくだし、麻友子さんも書きましょうよ」

絵莉の勧めで、麻友子は絵を描いた。

絵莉「素敵です」

麻友子「ありがとう」

麻友子は絵莉の似顔絵を描いた、上手いとはいえないが優しいタッチで描かれていた。

そして、麻友子は絵莉に今後の治療説明をした。
一週間後に抗がん剤治療と放射線治療をおこない、効果が出れば一時退院をしてもよいとのことだった。

絵莉「ありがとうございます、麻友子さん」

麻友子「早く治さないとかいと君とのデート行けないからね」

絵莉「そうですね」

絵莉は、照れながらいった。