寂しくて寂しくて、目の前が真っ暗になってた。
何も見えなかった。
生きてる心地がしなかった。
拓海さん。
拓海さん。
会いたい。
「…ちょ、菜帆ちゃん、顔真っ青だよ!?大丈夫!?」
…はい、大丈夫じゃありません。
…とはさすがに言えないので。
「だい…じょぶ、です…」
「ほんとに?拓海呼ぼっか?」
「拓海さん…!?」
拓海さんの名前を聞いただけでテンションが上がる。
萎れきった心に、水がかかったみたいに。
「…呼んだ方がよさげだね…これは…」
「呼んでくれるんですか!?」
もしかしたら今度こそ、来てくれるかもしれない。
どうしよう。まだ来るなんて一言も言われてないのに、今すぐにでも会いたい。
…どうして。
拓海さんがいないだけでこんなに不安になって、
拓海さんがいないだけでこんなに寂しくなって、
拓海さんがいないだけでこんなに怖くなってて、
…なんだか、拓海さんは大切な人なんだなぁ…と再度確認してしまうのを、私は何度繰り返したんだろうか。
そんなことを考えてる横で、瞳さんが電話してくれてる。
私が電話したら、きっと声を聞いただけで泣いちゃうから。
それくらい、今の私は脆い。
「菜帆ちゃん、拓海が光の速さでここに来るって!」
「ほんとですか…?」
「ほんとほんと。こんなところで嘘つかなーい♡」
その言葉を聞いて私は安心した。
早く時間が過ぎないかな、早く時間が過ぎて、拓海さんに会えないかな…なんて、ウキウキしていた。