高校生活も半年経ってだいぶ慣れてきた。
同じクラスの赤松に「一緒に帰ろーぜ」と言われたが、断って今1人で電車で海に向かっている。
理由なんかない。ただ、海に行きたい気分になっただけだ。誰もいない海は寒くて美しくて、静かだった。波の音が「ザァザァ」と聞こえるくらい。
僕は今の人生に疲れている。毎日学校に行って、勉強して友達と遊ぶ、この繰り返し。なんの面白味のない人生に疲れた。いっそこのまま死んでしまおうか。その方が楽だよな。
僕は海の中に入っていった。腰くらいまで浸かった瞬間。「何してるの!」と後ろから声が聞こえた。
さっきまで誰もいなかったはず.....。
後ろを振り返ると、女の子が立っていた。
「何してるのって聞いてるんだけどー、無視ですかー?」
「見てわからないの?死のうとしてるんだよ」
「なんで?理由は?」
子の女面倒臭いな、と思いながらも僕は返事をする。
「理由なんかないよ、ただ人生に疲れた、ただそれだけ」
そう言うと彼女の口から驚いた発言が飛び出してきた
「じゃあさ!私のために生きてよ!」
「はあ?」何言ってんだこの女。僕たちが出会ったのはたった数分前。なのに急に自分のために生きろとか言われても正直こまる。
「とりあえず、こっち戻ってきてよ!」
僕は仕方なく彼女の言う通りにした。