そんな私に

泣き顔のままが

近付いてきました

『結津…帰りましょう』

私は「うん」っと一言返事をしました

病室をでる時に

ままがお医者さんに

『娘には、
私から伝えます…
今日はありがとう
ございます』

私達は長い病院の廊下を歩きました

車に乗り込み家への帰り道

車の中はすごく静かで

音楽だけが流れていました

家につきました

今日は金曜日

ぱぱはお仕事で

悠も昂も学校で

家には私とままだけでした

私とまましかいない家には

なんだか重たい空気が流れていました

そんな空気を変えようとままが

『結津、ケーキがあるの
ぱぱや悠と昂の分は買って
いないからふたりで
食べちゃいましょうっ』

と、笑顔で私にいいました

でもね、まま、無理してるって事くらい私にだってわかるよ…

無理してるなんてわかってた私だって笑わなきゃって思ってわいたけど、

涙をこらえて笑っているままを見ていると、

すごくつらい気持ちになったんだ

胸がキューって締め付けられるくらい

泣いちゃダメ…

笑わなきゃ…

ままだって涙目をこらえているんだから

私だって笑わなきゃ…

でも、出来ないよ…

笑うなんて出来ない

ままのつらそうな顔を見ていると自然と涙がこぼれたんだ…