「口に入ってるやつ」



自分の舌をだして、そこに指をさす。



「は!?」



この男はまさか、あたしの口に入ってる飴をその舌に乗せろと言っているのだろうか。

そんな恥ずかしいこと、できるわけがない。



「いいだろ、別に」



言ったあとも、変わらず舌をあたしにちろりと出してくる。

その出し方が、やけにいやらしくて。
キスを求められてるような、そんな感覚に陥る。

いや、まさか。
キスなんて普通にすればいいだけなのに。



「ほら、はやく」



目の前の男は、そんなことをあたしからしろといいやがる。



「……んっ」



彼の強い瞳に見つめられて、拒否なんてすることが出来なくて。

どうやったらいいかわからないけど、とりあえず暁の唇に自分の唇を重ねた。



「……っは」



暁の舌があたしの唇を割入ってきて、あたしの舌の上にある飴を自分の舌へと移動させる。