正直、自分でも舞い上がってるのは、分かってる。

だって、こんなに男の人を好きになったの、初めてなんだもん。

学生の頃の彼の事も大好きだったけど、でも、やっぱり、今思えば、おままごとに毛が生えたようなものだった。

一生、この人を支えたい。
この人と家族になりたい。

そう思えるのは、きっとそれだけ瀬崎さんの事が大切だから。


夕日のオレンジ色の光が、窓から部屋の奥まで伸びてきた頃、嘉人くんは帰ってきた。

「ただいまぁ!」

「おかえりなさい。」

私が返すと、

「あれぇ? なんで夕凪先生がいるの?」

と聞かれた。

「なんでって、なんで?」

思わずへんな受け答えになってしまった。

「だって、外に車、なかったよ?
先生、もう帰っちゃったんだと思った。」

「ああ。今日ね、先生、嘉人くん家にお泊り
しようと思うんだけど、いいかな?」