だけど…

やっぱり、好きな人と触れ合いたいのは、私も同じで…


結局、私たちはたっぷり仲良くした後で、さらに仲良く準備を進めた。


「ちなみに、この結婚式が終わったら、夕凪も
瀬崎さんになるんだけど、いつまで俺の事、
瀬崎さんって呼ぶつもり?」

席次を決めるための名前を書いた付箋を並べながら、瀬崎さんは言う。

「えっと、だって、他になんて呼べば… 」

いきなり名前で呼ぶのも、恥ずかしいし。

「幸人でも、ユキでも好きなように呼んで
いいよ。
でも、今日から瀬崎さんは禁止。」

「ええ〜!?」

好きなようにって、それが一番困る。

「んー、じゃあ、ひとつだけ聞いていい?」

「なに?」

「前の奥さんはなんて呼んでたの?」

瀬崎さんが一瞬で固まった。

「あ、だって、同じ呼び方は、お互いに嫌
かなぁと思って。」

私が言うと、

「大丈夫。名前じゃないから、名前ならどう
呼んでも一緒にはならないよ。」

と、視線を逸らす。