「夕凪、もっと俺を頼れよ。
夕凪が頑張ってるのに、力になれないのは
俺が歯痒いよ。」

瀬崎さんは私の頬に手を添えると、そのままそっと口づける。

「夕凪、愛してる… 」

瀬崎さんの唇が何度も重なる。

やらなければいけない事はたくさんあるのに、つい流されそうになる。

私は、瀬崎さんの胸を押し返した。

「瀬崎さん! ダメです!
これを片付けないと、嘉人くんにお出かけ
してもらった意味がないじゃないですか。」

私が抗議すると、

「意味はあるだろ。
夕凪が、毎週嘉人を預けて泊まりに来るな
って言うなら、俺が夕凪をかわいがる
タイミングは、今しかないだろ。」

と瀬崎さんは私から離れようとしないばかりか、そのまま首筋から鎖骨へとキスが下りてくる。

確かにそう言ったけど。

だって瀬崎さんは、男である前に、嘉人くんのお父さんだし。