私は、週末、瀬崎さんの家に行く。

一緒に招待状を作り、席次を決め、引き出物を決め、準備を進めていく。

だけど、当然のごとく、この家にも最強の発達障害児がいて…

楽しそうに混ざって、覗き込んで、邪魔をし続けるから、全然進まない。

進まないから、当然、勉強する時間もない。

採用試験は、現職の特例で、面接だけとはいえ、面接の傾向と対策は押さえておきたい。

そんな事を思いながら、嘉人くんの相手をしていると、瀬崎さんが嘉人くんに声を掛けた。

「嘉人、最近、おばあちゃんと出かけてない
だろ。
昼から、映画にでも行ってきたらどうだ?」

「ええ!? パパたちは?」

嘉人くんの顔に不満の色が滲む。

「パパたちは、やらなきゃいけない事がある
から、留守番してるよ。
おばあちゃんと、映画見て、美味しいものを
食べておいで。」