私が返事をし終える前に、瀬崎さんの手が私の頬に添えられる。

「夕凪、愛してる。」

その言葉とともに、唇に柔らかな温もりが落とされた。

何度も繰り返されるキス。

私は瀬崎さんの胸に手を添えた。

「夕凪、今夜は泊まってもいい?」

瀬崎さんが耳元で囁く。

私は、どう答えていいのか戸惑いながらも、こくんと頷いた。

「じゃあ、シャワー浴びておいで。」

シャワーって、そういう事だよね?

そんなの久しぶりすぎて、うまく返事ができない。

素直に先に行けばいいの?

それとも、瀬崎さんどうぞって言う?

私は経験の乏しい頭をフル回転させていると、

「それとも一緒がいい?」

と聞かれてしまった。

私は、慌ててブンブンと首を振り、逃げるように浴室に向かった。

はぁ…
シャワーひとつでこんなにいっぱいいっぱいで、今夜、私、大丈夫なのかな。