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それから、何事もなく穏やかな日々が過ぎていく。

なのに、2月の第2土曜の朝、瀬崎さんから、
『今から行く。』
と電話があった。

なんで?

私は慌てて、掃除をする。

だけど、掃除が終わらないまま、玄関のチャイムが鳴った。

「はい。」

私が玄関を開けると、瀬崎さんが笑顔で立っていた。

「夕凪、おはよう。」

「………おはようございます。」

「入っていい?」

「あの…
まだ、散らかってて… 」

私がおずおすと言うと、瀬崎さんは楽し気に笑った。

「ははっ
分かってるから、気にしなくていいよ。
それとも、掃除、手伝おうか?」

っ!?

「いえっ! それは!」

「くくっ
じゃ、お邪魔します。」

焦る私を横目に、瀬崎さんはうちに上がってしまった。

「なんだ。思ってたより、綺麗だな。」

えっ?

これで綺麗って、どれだけ散らかってると思ってたの?

「お茶入れるので、座っててください。」