懇談が終わると、相談があるお母さんが次々と私の所へやってくる。

ノートの升目の大きさや、学年通信でお願いした図工と算数で使う箱についてなど、学校に来たついでに聞いておきたい事を次々に質問される。

話題が尽きないお母さん方から一歩下がった所で、瀬崎さんが待っている。

私は、お母さん達と話しながらも、ちょっと落ち着かない。

しばらくして、お母さん達の話が終わると、瀬崎さんが寄ってきた。

「瀬崎です。
嘉人の通級の事で相談があるんですけど。」

それって、今?

毎日、電話で話してるのに?

私は怪訝に思いながらも、「はい」と返事をする。

「できれば、他の人に聞かれない場所で相談
したいんですが。」

「ああ、そうですね。
じゃあ、相談室に行きましょうか。
ちょっと待っててくださいね。」

私は学級委員さんの仕事が終わるのを待つ。