だけど、途中で関係のない話を挟んだりして、12個から先が分からなくなってしまった。

「あーあ。
また、分かんなくなっちゃった。」

「くくっ
じゃあ、帰りにもう一回、挑戦すればいいよ。
それでダメなら、また来ればいいんだから。」

しょんぼりする嘉人くんを瀬崎さんが慰める。

「嘉人さん、来年の夏休みの継続作品に
トンネル調べをすればいいんじゃない?」

私は提案する。

「トンネル調べ?」

嘉人くんは怪訝そうな声で聞く。

「嘉人さん家から、ダムまでの地図を作って、
トンネルの名前を書き込んで行くの。
トンネルの入り口や出口の写真も添えて、
長さとかできた年とかをまとめたら、立派な
社会科研究になるわよ。」

私がつい教師目線でアドバイスすると、

「うん! 来年はそうする!!」

と嬉しそうに答えた。