「んん〜〜〜〜おいしぃいっ!」




小さい口に頬張り美味しそうに食べる。




「よかったな」


当たり前のようになった



「トウマくんは美味しい?」



この会話。



「お、おう。

食べる?」




これが最後なのかもしれない。




「うん!」







少し前の俺には考えられなかった


幸せな生活。


食べ物を美味しいとか


誰かと分け合うとか

多分数年前の俺なら笑うだろうな






命をかけてでも守りたいと思うもの


それは確実に人を強くする。







「じゃあ、帰るか」



なぁ、レイナ



「そうだねっ」




好きだ…。誰よりも。

お前を愛してる…。




俺の想いも知らないで微笑むレイナを

バイクに乗せた。






初めはぎこちなかった手も

今ではしっかりと俺の体を寄せる







(ギュッ)



「この手離すなよ…」





レイナの手に自分の手を重ねて

これから起こるであろうことに

不安を寄せて。




「う、うん」






俺はバイクを走らせた。



行きは覇天統の倉庫や

暴走族のいる場所を避けたが




帰りは…。