レイナには、前に少ししか母親のことを話してない
俺が小さい頃から親父はヤクザでよく家を空けて
お金は自分たちの飲み代にして
俺らには一切くれなくて。
でも、近所からはヤクザの家って警戒されて。
母親はそんな中で1人で俺を育てた。
毎日働いて、ボロボロになってた。
だけど、俺も高校でこの道選んで。
それから会いにもいってない。
誕生日祝ったのだって
…いつが最後かも覚えてない。
そんなレベル。
だいたい会いにいけんのか俺。
プレゼントとか以前の問題だな…。
「私嬉しいんだっ」
「え?」
「昔お母さん死んじゃったから
こうやってお母さんの誕生日プレゼントとか
買いに行くの夢だったんだよね
私のお母さんのプレゼント選んでるわけじゃないのにね」
そう悲しそうに笑いながらこっちを見る。
どこまでも俺を夢中にさせる。
レイナは自分から言わないけど
私を傷つけてと言われた一年前のあの日。
レイナのことを調べた。
お母さん、お父さんのこと今の境遇
小さな体でたくさんのことを抱えて生きていた
強くて弱い
弱くて強いレイナに惹かれた。