ただ俺はわかっていた。
この電話をしたら覇天統は動き出す。
つまり、もうレイナといれる時間は限られてる事。
だから俺は強引に付き合おうといった。
今のレイナの気持ちを無視して。
一緒にいれるこの時間を
誰よりも濃いものにしたくて。
今まで以上に
レイナの作ったご飯
寝顔。
脳裏に強く焼き付けた。
一緒に出かけるのもこれが最初で最後。
「トウマくん?」
「あ、ごめん、なに?」
「いやっ、聞いちゃダメだったかな。
お母さんのこと?」
「え??」
「いや、あの
プレゼント買うには
お母さんがどんな人なのか教えて欲しいなって思って。」
少し申し訳なさそうにいうレイナ。
俺が考え事してただけなのに。
気を遣わせたな。
でも、どんな人かって言われても答えられないな…
「んー…。どんな人だろうね」
やっぱり困った顔をするレイナ。
困らせることしかできないな…。