「雅は、施設育ちなんだよ。
ルナちゃんに言ったけど、ルナちゃんやっぱり覚えてなかった」

ルナと、施設がなんの関係が?









「ルナちゃんは、一週間ぐらい施設にいたんだ。
両親からの虐待で保護されたらしい。
あれは、ルナちゃんが2歳の時。
もちろん、あのヤンチャストーカーも、2歳だった」



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「今日から一週間、一緒にいるミナミルナちゃんよ」

ミナミ ルナちゃん?

顔に痛々しい傷のルナちゃんに、笑顔はなかった。


俺も居たんだ。あの場所に、、


「僕、みやびだよ。ルナちゃん、遊ぼう」


あの頃は、ヤンチャ盛りの雅もただの可愛い少年だった。

「ありがとうっ」

その時、初めてルナちゃんが
笑顔を見せた。

それは眩しいぐらい輝いていた。

きっと、あの笑顔見せられたら
だれでもルナちゃんの虜さ。

だけど、ルナちゃんは一週間後。

施設を去った。
育児放棄した両親の元じゃない。
ルナちゃんは、里子に出されたんだ。

「ルナちゃん、居なくなっちゃった」 
雅、寂しそうだった。

「また、会えるよ」 

俺は、そう励ました。
いつか、また会える。

「ルナちゃんに会ったら、どうしたい?」






それは、普通の会話。



なんだけどーーー。




「ルナちゃんにまた、会ったらーーー
かごの中に入れていっしょう僕のもんにする」


ぞくっ。
まさかって思った。