*慧side*

「はい、座って。
手当てしてあげる」

「いいのに………。
痛くないのに、戻っていいよ。
皆のとこ、行きたいよね」

なんで、俺を気にするの?

痛い思いも、怖い思いもしたのに……。

「ルナが無事で、良かった。
助けてくれてありがとうございます‼」

なんで、素直に笑えるの?
我慢できない。
 「…………っ、あのさ、なんで助けを呼ばないで立ち向かう訳?
俺が助けなきゃ、大ケガしてたかもなんだよ」

あの時ーーーー


廊下が、やたら騒がしかった。
金髪の不良二人が、騒いでた側に居たのが小さな君。


「ルナを守りたい‼
私が、ルナを守るの!!」


そう、君はさっきもそうだった。

金髪不良二人に、食って掛かる君をーーー

強い、と思った。


「それじゃ、ルナちゃんを守るのが君の役目ならさあ、アミちゃんを守るのはーーー誰なの?」






足に、ガーゼを貼った俺は、君を見た。

「私はルナ見たいに、可愛くないし誰かに守られなくても、自分の身は自分で守る‼
ルナを守って怪我したなら、私は大丈夫っ。

ありがとう、足。
もう、大丈夫。
バイバイ」

何故だろう…………。


なんだか、歯痒い。

「あ、後、女嫌いなのに手当てしてくれてありがとう」


はあ?

なんで、それ。