「雅くんっ、私は雅くんだけのモノだよ‼」

ルナちゃんの精一杯の気持ちも、雅くんは顔を固くしたまま、しおりをきつく握った。

「ごめん、、ルナ。

ちょっと俺っ…………」

高城が、チラリ、と慧を見た。

彼は頷き、ルナちゃんから離れてくーー。

「雅くんっ、行かないでっ!!」


君の声が、透き通り聞こえた。

「ごめん、ルナ。

ちょっとごめん」


なあ、高城くん。

ルナちゃんを、残して行ったこと


後悔するよ。



俺は、俯き泣いているルナちゃんを優しく抱き締めた。


君と彼はケンカした訳じゃない。
ただ、少し離れただけ…………。

だけど、君は不安になる。
そうだよね、だけど、これも一つの思惑なんだよ。


慧の後ろで、ニヤリ、と笑う清水くん。

いや、直は俺の幼馴染み。

何をするにも、ずっと一緒にいた悪友。

「泣かないで、ルナちゃん。
ごめんね。今日は、本当ごめんね」



「知ってたよ、私も聞かれたことあるから。
廉先輩と付き合ってるのか?って。
お似合いだね、って。

雅くんに、嫌われちゃったかな?」

悲しそうに、泣くルナちゃん。

はあ、やっぱり好き。
高城雅なんか、やらない。