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私は、階段をかけ下りて歩いていた。

「ルナちゃん、あの………話があるんだ。
ちょっとついて来て欲しい」 
まただ。

「は、はい」

分かるよ。
君が今、何を言うのか。
チラリ、と私を見る男の子。
この視線にも、慣れきった。

連れて来られた裏校舎に、人気はない。
私は、少し不安げに彼を見上げた。

「ごめんな、こんなとこまで……あいつには聞かれたくないからさ」

あいつーーー?

心底分からない私は、首を傾げた。


「王雅の総長、高城 雅だよ。
ルナちゃんも、大変だね。
厄介な人に好かれて。
俺、王雅の総長が憧れてたんだけど。

ルナちゃん泣かすし、今はーーー

邪魔で仕方ないんだ………」

そう言いメガネを外す、男の子。

えっ…………?
  ドンッ!!!


「やっ、貴方は…………っ」
私は壁に追い込まれた。